キャンプにナイフを持っていったら違反になるの?
刃渡りがどれくらいのナイフなら違反にならないの?
よくある疑問ですが、違反になるならないに刃渡りは関係ありません!
だから違反にならないナイフや捕まらないナイフというのも存在しません!
正当な理由がなくナイフを持ち歩くこと自体が違反なのです。
もちろん便利道具的なツールナイフも例外ではありません。
刃の長さによって変わるのは、銃刀法か軽犯罪法のどちらに違反しているかってことだけで、結局は違反になります!
つまり正当な理由がなく持ち歩けば、刃渡り1センチメートルのカッターナイフですら軽犯罪法違反になるんです。
重要なのはこの『正当な理由』があるかないかです!
なのでキャンプやトレッキングで使うなどの正当な理由があって、その往路復路でナイフを持ち歩く場合は銃刀法違反にも軽犯罪法違反にもなりません。
しかし、この理由が正当と認められるかどうかというのがすごくあいまいで注意が必要なんです。
この記事では、どんな場合に違反となって、どんなことに注意すれば違反にならないのかについて書いています。
銃刀法とは?
正確には『銃砲刀剣類所持等取締法』といいます。
ここではキャンプに必要のない銃砲には言及しません。
刀剣類とは、刃渡り15cm以上の刀・槍・薙刀、刃渡り5.5cm以上の剣・あいくち・45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛び出しナイフのことをいいます。
刀剣類は人を殺傷するための武器です。
日本刀のように美術工芸品として公安委員会の許可を得た場合にのみ所持することができます。
許可がない場合は家の倉庫にしまってあるだけでも違法です。
一方、キャンプやトレッキングで使用するためのナイフや鉈は、包丁などとおなじく生活道具であって刀剣類にはあたりません。
したがって刃渡り15cm以上であっても誰の許可もなく自由に所持することができます。
ただし銃刀法には『何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない』とあります。
ただし、ツールナイフなど折り畳み式ナイフの場合は刃体の長さが8センチメートル以下で刃体の幅が1.5センチメートル、厚みが0.25センチメートルをそれぞれ超えず、ロック機構のないものは銃刀法からは除外されます。
また、刃体の長さが6センチメートル以下の刃物であっても(8センチメートル以下の折り畳み式ナイフも含めて)、
軽犯罪法では『正当な理由がなく刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯』することを違法としています。
ここまで、通じやすいので便宜上『刃渡り』という言い方をしていますが、厳密にはこの刃渡りは刀剣類にたいしての言い方で、ナイフ類の場合は『刃体の長さ』という言い方をします。
以降は刃体の長さと言います。
あと『6センチメートルをこえる』を『6センチメートル以上』と言い換えちゃったり『6センチメートル以下』を『6センチメートル未満』と言い換えちゃっているサイトをよく見かけます。
『こえる』と『未満』はその数値を含みませんが『以上』と『以下』はその数値を含みますので、まったく意味が違ってしまっていて間違いです。
ひどい場合は『6センチメートル以上は銃刀法』、『6センチメートル以下は軽犯罪法』とか言っちゃてるサイトもありました。 それだと丁度6センチメートルは両方の違反になっちゃうぞ。
どんな場合に違反となるのか?
では、どんな場合に違反になるのか整理してみます。
正当な理由がなく刃物を携帯すると、
6センチメートルをこえる場合は銃刀法違反!
6センチメートル以下の場合は軽犯罪法違反!
です。
つまり刃体の長さに関係なく、
所持(購入して所有)することは合法!
正当な理由がなく携帯する(持ち歩く)ことは違法!
ということです。
要するに、サバイバルナイフでもツールナイフでも鉈でもマチェットでも『所有することは何の問題もない』けど『持ち歩く場合に注意が必要』で『正当な理由』がないと『捕まるよ』ということになります。
正当な理由とは?
逆に言うと、正当な理由があってナイフを持ち歩くことは違法ではありません。
ただこの正当な理由というのがものすごく微妙なところでして以下に具体例を書きます。
正当と認められるパターン
・キャンプ場で料理をするためのナイフをキャンプ場との往路・復路で携帯している
・トレッキングで藪漕ぎをするための鉈をトレックとの往路・復路で携帯している
・キャンプで使うナイフをお店で買って家へ持って帰る途中
・職業でつかう刃物を職場へ向かう途中に携帯している
正当と認められないパターン
・昨日キャンプで使ったナイフをカバンに入れたまま歩いていた
・いつでもキャンプにいけるように車にナイフを積んでいる
・職業でつかう刃物を休日に携帯している
・キーホルダーやアクセサリーとして身に着けている
・護身用に携帯している
キャンプやトレッキングへの行き帰りでナイフや鉈を携帯していることに何の問題もありません。
しかし、キャンプにいったのが昨日とか、行くのが明日とかは完全にアウトです。
正当な理由があっても注意が必要!
通常、キャンプ場への行き帰りにナイフを携帯している場合は正当な理由があると認められ、違法とはならないので逮捕されることはまずありません。
ただ、正当であるかどうかの判断は職質する警察官によって異なることがありますし、誤認逮捕なども報道されています。
逮捕までいかなくても職質から解放されるまでに何時間も要したという話もよく聞きます。
特に気を付けたいのが、ツーリングやバイク旅などで道の駅で野宿するときに調理でナイフを使用する場合です。
道の駅は商業施設であってキャンプ場ではないので、スーパーの駐車場でナイフを使うのと同じ行為になり、正当な理由とは認められない場合があるようです。
歩き野宿旅で公園などで調理する場合も同じことが言えます。
8年以上ナイフを持ち歩いて捕まっていない OYG! が気を付けていること
あ、もちろんナイフを持ち歩くのはキャンプやトレッキングに行く時だけですよ!
だから正当な理由があるので職質されても捕まらないのは当たりまえだのクラッカーです。
ですが職務質問されると、逮捕されないまでも相当な時間をとられる場合もあるので、できる限り穏便に手早くすませるために以下のことに気を付けています。
※ちなみに OYG! は職質されたことがないので、以下の方法で回避できたという体験談ではないです。
※あくまで OYG! が気を付けているだけで、これをすれば大丈夫ってことではないので参考までに。
●ナイフの携帯の仕方
・必ずシースやケースに入れて、クッカーやバーナーなどの調理器具と一緒の袋に入れる
そしてこれを以下に収納する。
・徒歩の場合はバックパックのなるべく底の方
・バイクの場合はバックパックではなくシートバッグやサドルバッグの中
こうすることで、調理に使用するためということと、調理の時以外はすぐには取り出せないことをアピールしています。
●職務質問
・ 職質されないようにする
・ された場合は協力的かつ真摯に応じる
OYG! はなるべく小奇麗でそれとわかる服装をするようにしています。
ランニングウェアとかジャージで走っていても誰も見向きもしませんが、TシャツとGパンで全力疾走してると結構見られます。
ちなみに OYG! はスーツ姿で走っていて、警官に両手を広げて止められたことがあります……
職質された場合も『正当な理由』があるので毅然とした態度で答えればいいです。
聞かれた場合は、ナイフの所持や目的、これから向かうキャンプ場名などをあるがままに話せばいいです。
銃刀法に抵触しないナイフをカバンの奥底にしまってある場合でも「危険なものを持っていませんか?」的なことを聞かれたら「キャンプで調理につかうナイフを調理器具の中に入れてます」とか答えてください。
手荷物検査などであとから見つかった場合、正当な理由を説明しても軽犯罪法の『隠して携帯』していたとされる可能性があります。
任意だからと拒むと怪しまれたりして時間を要するだけです。
警察官も人間なので協力的かつ真摯に答えてあげれば悪い方向にはいかないと思います。
OYG! が気を付けているのはこの程度です。
万が一何かの間違いで逮捕されたらって不安でしょうがないっていうあなたは以下も参考にしてください。
●捕まった場合の被害を最小限にする
・刃体の長さが6センチメートル以下のナイフを携帯する
(折り畳み式ナイフの場合は刃体の長さが8センチメートル以下)
何かの間違いで捕まっても軽犯罪法違反なので拘留か科料(1万円未満)で済みます。
銃刀法違反なら2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
ま、どっちも前科はつきますけど。
●ナイフを持たない
レトルト食品や切れてる食材を利用するなど工夫することで刃物を使わないという選択肢もあります。
ただ OYG! は100%大丈夫とは言えないにしても、そこまで神経質になることもないと思っています。
逮捕されたりしているのは『正当な理由とは?』の項で書いた、うっかりとか知らなかったとかのパターンがほとんどだと思っています。
あと、かたくなに職質を拒むやつね。
まとめ
違反になるかならないかは刃体の長さは関係ない!
何センチメートルでも、
・購入して所有すること自体は違法じゃない!
・正当な理由がなく持ち歩くことが違法!
正当な理由があれば違反にならない!
・キャンプやトレッキングの行き帰りでナイフや鉈を携帯していることに何の問題もない!
・キャンプにいったのが昨日とか、行くのが明日とかは完全にアウト!
・道の駅や公園などでナイフを使用する場合は正当と認められない場合があり得る!
道の駅は商業施設ですから、なるべくキャンプ場を目的地にしたほうが安心です。
以上、いろいろと注意は必要ですが、正当な理由があれば逮捕されることはありません。
みなさん、ナイフを正しく携帯してキャンプや野宿旅を楽しんでください!
もちろん OYG! もしっかりと法律を守ってナイフをガンガン使っていきますよ!
男の子の冒険にナイフは必需品ですからね。